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華麗なる?

東ドイツ行進曲

In Reih und Glied〜「兵卒」〜貴重な国家人民軍の行進曲集

すごいCDを手に入れた。東ドイツ時代の行進曲を集めたCDで、その名も「兵卒」。CDのジャケットには、国家人民軍の格好い制服を着こなした兵士の姿が写真に収められていた。東ドイツと云う以前に「プロイセン」の雰囲気である。収められている曲も、東ドイツ時代に作曲されたと思われる曲ばかりだ。以下に掲げる一覧は、はっきり云って本訳に自信が無い。なにせ、全部ドイツ語で書いてあるのだ。まぁなんですかな〜お題目によっては、ベタベタにベタな社会主義国の雰囲気であるのはさすが。

 1:兵卒
 2:スパルタクス
 3:若き革命家の行進曲
 4:兵士の挨拶
 5:新しき生活
 6:ブラック・ゴールド(意味が分からない・・・)
 7:ユンゲ・リンデン(訳が未だに分からない・・・)
 8:手に手を携え・・・
 9:対空ミサイル部隊行進曲
 10:臨戦態勢
 11:我らは、我が祖国を守る
 12:人民海軍・観艦式行進曲
 13:ウォルター・エンパッシャー連隊行進曲
 14:10月のパレード
 15:若きパイロット
 16:国家人民軍プレゼンティア行進曲

1:兵卒〜In Reih und Glied

是は名曲と云っていいのではないだろうか。威風堂々たる行進曲で、メロディーも分かりやすく、口ずさみやすい。しかしながら、此のお題の訳に苦戦したよ。直訳したら、何が何だかさっぱり分からないのだ。大学時代に使ってた独和辞書なんか、とっくに行方不明だから、あるインターネットの翻訳サイトで試してみた。出てきた結果は、

「ストリングと手足の中で」

なんじゃそりゃ。とにかく分からなかったのが、「Glied」の意味。グーグルの画像検索結果を見て、拙者は思わず吹き出しそうになった。明らかに男性のシンボルと云える画像が出てくるのだ。もう完全にお手上げと思ったが、それ以外に意味深な画像がいくつか。「整然と並んだドイツ鉄道の電気機関車」「モアイ像」「偶然並んでいるかのように見えるガチョウさん達」、そして整列したどっかの国の兵士達・・・
 どうも「並んでいる」と云う意味合いがあるらしい。あっちこっちのサイトを見ては、「此のページを訳す」をクリックして、とうとう行き着いたのが「是で兵卒と読むらしい」と云うこと。ドイツ語は難しいよ!


↑翻訳するのに苦労した

2:スパルタクス

此の手の芸術鑑賞には、一定のコツがある。ショスタコーヴィチの交響曲第5番や第12番のような、社会主義リアリズムと妥協したことで被った汚点はさておき、取り敢えず絶対音楽として鑑賞する態度で臨むのだ。

 此のスパルタクス行進曲とやら、東ドイツ政府を牛耳るSED(ドイツ社会主義統一党)が、あの由緒あるスパルタクス団の残党なんです、と云う自身の正当性をことさら強調するための曲と云える。ソ連がいなければ、何も出来なかったくせに、と云うシラケた気持ちになるだけなので、まぁ8割ぐらい割り引いて聴かねばならない。ただし!曲としてはなかなかのもの。もはや公式の場で聴くことが不可能な隠れ名曲と言えよう。


↑士官学校卒業記念スカーフ(管理者コレクション)

3:若き革命家の行進曲

是も音楽として聴きごたえのある名曲。もはや吹奏楽のレベルを超えた、シンフォニーな響きに圧倒される。マーラー的なドラマチックさとでも云えようか。テンポは非常に早く、駆け足に近い!若き革命家の、血気にはやる雰囲気が伝わってくる。何時の時代のことを表現したかったのだろうと文句も云いたくなる。どうも、東ドイツ末期の革命云々とは程遠い体たらくを見てきただけに、是もまた8割ぐらい割り引いて聴かねばならない。

4:兵士の挨拶

音源が古いためか、雑音が多いのが残念だ。しかしながら、此の曲は正真正銘のドイツ行進曲。明らかにグースステップ(ガチョウ足行進)に相応しい曲である。まるで第三帝国を彷彿とさせる雰囲気で、ソ連に攻め込んだドイツ国防軍の行軍を連想させるほどの勇ましさだ(笑)。ここまで威張りくさった、ふんぞり返ったような行進曲はないのではないか。お見事!


↑そもそもビジュアルがドイツ国防軍だ

9:対空ミサイル部隊行進曲

此の楽しげな行進曲は何なのでしょうか(笑)。テンポは明らかに早送りモード。対空ミサイル部隊などと物騒極まりないが、曲は至って楽しげだ。まるでディズニーランドのパレードだよ(笑)。東ドイツと云う、重く暗い雰囲気など微塵も感じられない、意外な一曲である。吹奏楽の巧みな表現力にも脱帽させられる。
 対空ミサイル部隊と思われる図を「コレクション」から見つけた。国家人民軍士官学校卒業記念スカーフに描かれていたのは、ミサイルを積んだトラック。うー、雰囲気はまるでソ連だ。パレードは全て自動車の行進と思われるが、明らかに曲とマッチしていない。


以上、特に印象に残った曲について感想など書いてみた。古いドイツ式伝統を引きずったような曲、社会主義国ならではのとって付けたような曲、まるでディズニーのような意外な曲・・・こんなにバラエティーに富んでいるとは、意外な発見でございました!

→次ページ:華麗なる?東ドイツ行進曲(2)〜Im Gleichschritt Marsch!

★アマゾンにあった東独行進曲のCDの画像リンクが貼れなくなりました。代わりに、カラヤンや我が海上自衛隊のCDを紹介しておきますね。


華麗なる?東ドイツ行進曲

華麗なる?東ドイツ行進曲

Im Gleichschritt Marsch!

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