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重厚・華麗〜ドイツ行進曲の愉しみ

マーチというより「シンフォニー」

拙者の家族で、吹奏楽経験者がいる。

「ドイツの行進曲はとにかく難しかった。」
「野球の応援には不向きだった。明らかに演奏会用。」
「マーチというよりシンフォニー。」


 こうした経験談を聞いて、さすがベートーベンやブラームスを生んだ音楽大国だけのことがあるなぁーと思った。イベントには不向き、演奏会でじっくり聴いてもらう・・・それだけ音楽としてのレベルが高い証拠だろう。いろいろ調べていて、まぁさすがドイツだけのことはある、と思った。ドイツ行進曲の作曲陣は層が厚く、「下は軍楽師から上は王様まで〜ベートーベンやハイドン兄弟等、有名な作曲家もゴロゴロいる」 のだ。こんな国はドイツしかない。

海上自衛隊演奏のCDを入手〜あまりにも貴重な音源

ドイツ行進曲を聴きたい!しかしながら、どこから手を付けていいのか正直迷った。アマゾンで検索してみると、海外で制作されたであろうCDが次々と出てくる。大学時代に使った独和辞典がまだ本棚にあるので、ドイツ語の翻訳ぐらいは出来ないことはないが、できれば日本語の解説書が付いているCDが欲しい・・・。
 いろいろ探しているうちに、思わぬ掘り出し物を見つけた。なんと、日本の海上自衛隊が演奏したCDがあったのだ。しかも、有名どころがほぼ網羅されている。収録されている曲は以下のとおりだ。題名を見ただけで身震いがしてくる。ドイツ行進曲の神髄ともいえる傑作ばかりだ。

1. プロイセンの栄光(ピーフケ)
2. バイエルン分列行進曲(シェルツァー)
3. バーデンヴァイラー行進曲(フュルスト)
4. 分列行進曲(ファウスト)
5. ヴァイトマンスハイル(レックリング)
6. プロイセン・プレゼンティア行進曲(ヴィルヘルム3世)
7. 十字軍騎士団ファンファーレ(ヘンリオン)
8. 装甲艦ドイチュラント(E.シューマン)
9. コーブルク(M.ハイドン)
10. トルガウ閲兵行進曲(ショルツ)
11. ケーニッヒグレーツ(ピーフケ)
12. ペテルスブルク行進曲(不詳)
13. キールに敬礼(シュポーア)
14. 連隊の挨拶(シュタインベック)
15. フィンランド騎兵隊(不詳)
16. 解放戦争義勇兵の行進曲(不詳)
17. ヨルク軍団行進曲(ベートーヴェン)
18. 三帝行進曲(フォイクト[フォークト])
19. デッサウ老公(不詳)
20. ポツダム近衛騎兵連隊(不詳)
21. 狙撃兵分列行進曲(リッペ)
22. ホッホ・ハイデックスブルク(ヘルツァー)
23. フリードリッヒ大王の近衛兵(ラデック)
24. カール王(ウンラート)
25. ツェッペリン伯(タイケ)
26. 旧友(アルテ・カマラーデン)(タイケ)

収録曲は26曲という豪華さ。しかも全曲の解説書が付いていた。曲が作られた経緯、当時の時代背景・・・これでかなりドイツの歴史について詳しくなれる。いや、ドイツ行進曲はドイツの歴史そのものと言っていい。収録曲はほぼ19世紀〜20世紀初頭にかけての作品で、対ナポレオン戦争からドイツ統一戦争、第一次世界大戦あたりまで、というところか。プロイセンの勢力伸長とドイツ帝国の成立、そして帝国の繁栄とその滅亡までが、ドラマチックに再現されたような選曲である。

お国柄といい、歴史的経緯といい、全てが重々しいが、その重厚さは行進曲にも色濃く反映されている。米軍の「マーチ」ではあり得ない重さと華麗さ、それを「ただでさえ重たい演奏で知られる海上自衛隊」が演奏するのだから、それこそマーチというよりシンフォニーだ。
 この貴重な音源集から、さらにさらにこれは傑作!と思った8曲については、拙者なりの感想などを書いてみた。お付き合いいただける方は上記のリンクからどうぞ。

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