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究極の能勢電鉄

妙見最後の旅

妙見ケーブル・リフト廃止の衝撃

 青天の霹靂とは此のことを云うのであろう。令和五年拾弐月をもって妙見ケーブル・リフト、そして妙見の森も営業を終了する旨が発表されたのだ。拙者はふと四拾年前の記憶が蘇った。小學生の時分、遠足で妙見山へ行った愉しい思い出のことを。


 もう居ても立っても居られない。拙者は、まるで吸い込まれるやうに妙見山を目指すことになった。或る晩秋の朝、是より阪急電車に乗る為に梅田まで到着。良く晴れた空に心が弾む。


 川西能勢口駅に到着!能勢電車に乗るのも四拾年ぶりだ。一目見て「懐かしいなー」と思ったのは、車体上部がアイボリーに塗装されていないこと。昔の阪急電車はみんなそうだった。でも前照灯は最新だし、行き先表示器も字体が阪急と微妙に違う。懐かしいようで「何か違う」のが現代の能勢電車なのだ。


 電車は山下に到着。此処で妙見口行に乗換える。昔は川西能勢口から妙見口まで全ての電車が直通していたと記憶している。


 車内の雰囲気は、一昔前の阪急電車。ただし、日除けの重たいブラインドは、ロールカーテンに交換されている。カーテンに描かれた田園風景が面白い。やっぱり懐かしいようで「何か違う」のである。


 妙見の森廃止の広告。一体、現地はどのような状況なのか気になって仕方が無い。

電車は妙見口駅に到着!


 青空に阪急マルーンの車体が光り輝く。


 往時の雰囲気を伝える妙見口の駅舎。レトロ風に改装されたとみられる。丸型の郵便ポストが前時代的雰囲気を見事に演出。


 クーラーを備えた待合室まである。飾り棚に、歴代能勢電車の鉄道模型が飾ってあった。阪急より遥かにキメ細かい、観光を意識した駅作りに感心したが、妙見ケーブル廃止後の観光客は確実に減るであろう。

そして妙見ケーブル「黒川駅」を目指す


 妙見口駅から妙見ケーブル黒川駅まで、田園地帯を弐拾分ほど歩かねばならない。そう云えば、遠足に行った際に「水路の上に作られた歩道」をガンガン音を立てながら歩いた記憶があるが、同じような歩道がやはり残っていた。


 百萬弗の夜景と云う言葉があるが、本日の晴天は「百萬弗の青空」と云っても過言ではなひ。紅葉も色付き始め、此の機会を逃したら一生後悔する!と思えるほどのパノラマが視界に広がる。


 そしてケーブル黒川駅前は長蛇の列!みんな考えることは同じなのだ。昔行ったきり何十年も御無沙汰し、ニュースを聞き付けて更に晴天なものだから、ちょっと行ってみるかと。拙者も其の通りであります。

いよいよ妙見ケーブルに乗って妙見の森へ




 切符売場も廃線直前の朽ち果て感が全く感じられない。やる気あり過ぎ感の方がかえって伝わってしまう。あと一カ月足らずで廃止などと信じられない。


 ケーブル乗り場も、屋根の骨組みが丁寧に塗装されている。もったいないと思いつつ、自分も四拾年もの間、御無沙汰していた訳だから仕方が無い。みんな同じようなことを思っているのではないか。


 ケーブルカー内は大混雑だ。そもそも、ケーブルカーに乗るのが久しぶり。秩父宝登山はロープウェイだったし、此処数年ケーブルカーに乗った記憶すらない。如何に山岳地に行っていないかが分かる。

妙見の森に到着〜鉄路は更に続くが・・・


 ケーブル山上駅に到着し、急な登り坂を暫く歩くと「妙見の森」に着く。此処で見ておきたいオブジェがある。「北極星入口」と云う駅から伸びる鉄路の先は、北の北極星(本当に其の方角に向かっています)。


 此の先の終着駅は未定です。我が人生の旅もまた同じであります。


 銀河鉄道999の世界観だ。


 絶好の行楽日和とあって、リフトに揺られるのも心地良い。季節に応じて様々な花が咲くようだが、確かに手入れも経費が掛かる訳だから、常に利用者が存在しないと経営も苦しい訳だ。今更、此の場所の素晴らしさに気付くとは我ながら反省せねばならない。


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