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個人情報保護士認定試験

個人情報保護士〜ついにこんな資格まで

 ついにこんなものまで出たか!と思った。確かに、個人情報の漏洩事件は後を絶たない。漏れた情報が勝手に一人歩きしてしまい、犯罪に利用されたりする。だからみんな心配する。心配しているのに漏洩事件を起こした企業は、社会的制裁を受ける訳である。漏洩そのものによる実害と、漏洩事件を起こしたことによる風評被害、どれもやっかいなものだ。

 昔は何だかのんきだった。インターネットは無いし、ATMに隠しカメラを設置できるような小さなカメラがそもそも無い。個人情報も紙に書いてあるものが大半だから、大勢の人間の情報を盗むことも出来ない。
 ところが今や、各個人が何ギガのフラッシュメモリでもって情報をやりとりする。大量の情報を効率よく処理出来る反面、何かの拍子にそれが他人に渡ったら、悪用されるかもしれない。悪用されなくてもそれが社会全体の不安心理につながり、危機感を煽る。危機感を煽って個人〜士などと資格までつくってしまう。ほんの一握りの脅威が話を大きくしてしまう 「リスク」 をみんなが負っている訳だ。

個人情報保護士認定試験を受けてみた〜2007年のお話なので変更点があったらすいません。

 試験は 「財団法人全日本情報学習新興協会」 が行っている。今のところ年2〜4回実施しており、全国各地で試験が行われている。私はネットで申し込みをした。申し込みをすると、振込み用紙が届く。請求書というものはほんとにスピーディーなものである。コンビニで支払を済ませると受験票が届いた。受験票には顔写真を貼らなければならない。

 試験は全てマークシートである。課題1と課題2があって、試験時間は2時間。それぞれの分野で8割以上の正答率で合格である。8割というのはちょっと厳しいような気もするが、問題は基本的な知識を問う問題となっている。課題1は、個人情報保護法の法文を中心とした内容。法律に慣れ親しむ機会が少ない人にとって、少々とっつきにくいかもしれない。しかしながら、「個人情報の保護に関する法律」 は、基本原則を並べた大雑把な法律となっている。とにかく太い柱を据え付けたという感がある。実際の実務となると、各産業界の実情に応じたルールを定める必要がある訳で、これについては各省庁から 「ガイドライン」 の形で示されている訳だ。
 こうしたところから、この法律自体はそれほど難しい代物ではない。

 課題2は、会社組織で実際行われるべき個人情報保護対策の出題がなされる。対策を有効に行うことができる組織体制の確立、人的管理、情報システムのセキュリティ対策、オフィスのセキュリティ対策など。これらの問題は、既に各企業でやってそうな研修とかでおなじみの話かもしれない。一般常識となりつつある話も多いので、既に社会人として活躍されている方にとってはそれほど難しくないと思われる。
 情報システムのセキュリティ対策となると、とにかく自分が使っているパソコンのセキュリティ対策から始まる。ウイルスソフトの導入、メールの管理、パスワードの管理、などなど。電子署名の話やSSLの仕組みなど、何気なく使っているようでよく分かってないことを学べた。記憶媒体の廃棄やプリントした用紙のシュレッダーなど、細かい注意が必要であることを痛感させられる。

個人情報保護士のロゴがダウンロードできる

 合格発表は、試験の日から約1ヶ月後にネットで確認できる。受験番号を入力して照会することが出来る訳だ。今や資格試験の合格発表名を掲示板に貼る時代ではなくなった。合格発表と同時に 「個人情報保護士認定試験を紹介しませんか?」 という郵送物が届いた。パンフレットが何枚か入っていて 「勧誘対策の小道具一式」 という感じである。
 合格者証が届いたのだが、カード型合格者証はいいとして、B4サイズの 「合格証書」 には笑えた。学校の時代に 「よくできました!」 に贈られる 「ひょーしょーじょー」 の形式である。最も有益だなと感じたのは 「ロゴがダウンロードできる」 こと。全日本情報学習振興協会のホームページで、自分の認定番号を入力すると 「○年○月認定」 と入ったロゴがもらえる。ホームページやブログに貼り付けたりも出来るから、ネタとしても使える。ブログによっては右クリック禁止のタグが使えない場合があり、閲覧者にコピペされてしまうことも?


合格すると認定ロゴがもらえます。

2年後〜資格の更新がメールで届く

 さて、(財)全日本情報学習振興協会からメールが来た。実はメール設定しておくと 「企業情報保護士受けませんか」 「○○検定受けませんか」 と勧誘メールが定期的に来る。いつも 「削除」 するのが日課だったが(笑)、今度だけは違った。

検定試験の【認定カード更新】が開始となります。※期間を過ぎますと更新ができませんので、ご注意下さい。

とのこと。リンクをクリックすると画面が変わり、WEB上の更新テスト説明が出る。

【認定カード】に記載されている「認定番号」を入力して認証ボタンを押すと、[更新テスト]のページに移動します。 テスト合格後、更新手続きのページへログインできるようになりますので、送付先等必要事項を入力して『個人情報保護士認定試験カード更新』を行って下さい。※テストは何度でもチャレンジできます。
1週間程で払込用紙を郵送しますので、コンビニもしくは郵便局にて振込みをお願いします(2100円だった)。
入金確認後、カードを郵送します。


 更新テストは気楽に受けられる。好きな時間に、時間を気にせず、試験前に使ったテキスト片手に、何回でも受けられるからだ。

個人情報保護士会が発足〜年会費1万2千円は高いか?安いか?

 財)全日本情報学習振興協会から郵送物が届いた。個人情報保護士会が発足したので会員になりませんか?という勧誘である。会員になれば、研修会の無料参加、顧問弁護士への相談、公式テキストの10%割引販売(もういらないです)、会員バッジの販売(恥ずかしいのでいらないです)、などの各種特典が受けられるという。個人会員の年会費は1万2千円〜拙者にとってちぃと敷居が高い。


イメージガールは「はいだしょうこ」さん?(平成24年のお話)

 郵送物の中に、「セキュリティ産業新聞」 が入っていた。この新聞、時々くれる。1年間まともに購読したら4万5千円かかる。いい商売だなぁと、いわいるビジネスモデルの巧みさに舌を巻いた。全然違うことで感心してしまうのだが、個人情報保護という時代の要請を巧みにすくい上げた、ユニークな発想であるのは間違いない。
 さらに郵送物の中には、情報学習振興会のポスターらしきものも入っていた。会社に貼ってもらうことを狙ったポスターだが、イメージガールは「はいだしょうこさん」とは・・・なんか脱力感を感じる。「お前分かってんのかぁー!」と突っ込みを入れたくなる。
 でも拙者は、はいだしょうこさんは好きである。人を押しのけてのし上がるという、タカラジェンヌ独特の嫌味なところが皆無なのだ。日本陸軍並みの規律で有名な宝塚音楽学校時代、天然ボケの連発に「寝る暇も無いくらい怒られてばかりいた」という。それでも彼女は成功した。クヨクヨせず、前向きに進めば結局は何とかなるのだ。
 人々の不安感を煽り立てる 「個人情報保護」 〜はいだしょうこさんの屈託のない笑顔は 「気にしないでね」 と言ってるようにしか見えない。

  →次ページ:マイナンバー実務検定を受けるハメになった話

個人情報保護対策を心得ておく〜ネット界は東独と変わらぬ密告社会じゃぞ!

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