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消防博物館

さすが東京!消防博物館もこのスケール

B級スポットとか、珍スポットの一つとして紹介されている此の博物館、札幌赴任期間を終えて東京へ帰って来たので、漸く行く機会を得た。博物館は、営団地下鉄丸の内線四谷三丁目駅と直接つながっている。改札を出て、其のまま地下一階に博物館入口があるのだ。


館内へ入ると、特大のデカさの消防車がお出迎え。室内で見ると消防車はとにかくデカく感じる。目を引いたのはメルセデスベンツのはしご車。高層ビルが増え続ける高度経済成長期、引退直前までビル火災現場で活躍した名車だとか。こんな消防車がサイレン鳴らして走って来たら、みんなよけてくれるよな。




「かっけぇー」と感嘆してしまう「スタッツ」と云う名の消防車。説明文には、「消防車にするにはもったいない、といわれるほどの見事なプロポーション」で、「多くの人の目を引いた」のも納得。こんな消防車が来たら、もちろんみんなよけて呉れる。当時、東京で一番立派な自動車だったろう。レトロ・メカニック萌え〜な展示である。

七階へ上がり、特別展示を見る

阪神淡路大震災から二十年、博物館では特別展示をやっていた。神戸市に「防災未来センター」なる展示施設を見学したことを思い出す。多くの写真が展示されているが、右上の写真は崩壊した阪急伊丹駅。私鉄王国関西の凋落を招いた惨事を象徴する写真である。阪急萌え〜な拙者にとって涙なしに見られない写真だ。

時は変わって江戸時代


博物館五階は、江戸時代の展示が並べられている。とにかく火事が一番恐ろしかった時代、町火消は人々の憧れの職業。粋でいなせな町火消の心意気が伝わる展示である。此のヘンはぐっと大人の博物館。特に町火消の活躍を伝えるミニチュアの展示は目を引く。


洒落た羽織をシャンと着こなしたところで、当時の消防技術で出来ることは、周辺の家を取り壊して延焼を防ぐぐらいしか手立てがない。カーンカーンと半鐘が鳴り響くなかで、人々が家財道具を抱えて逃げ惑う。其処へ町火消の一団が果敢に現場へ駆けつけ、纏を持った男が屋根へ上って纏を打ち振る。此処で食い止めると云う目印ですな。周囲では家屋の取り壊し作業が始まるのだ。やり方が手荒いだけに、火消の男共ときたら威勢が良すぎて喧嘩っ早いのも納得である。

いよいよ近代消防の夜明けが

黒船来航以降、西洋文明が次々と流入していく訳だが、日本人が一番喜んだのは「ポンプ車」であるのも納得。そうは云っても、現代的な消防車が登場するのはまーだ先の話。明治時代、車体は馬が曳いていた。うーん、レトロモダン・メカニック炸裂な展示である。





↑まだ蒸気ポンプが作動しないから人力でやれー ♪プ、プププ、プッププップ、ププププー・・・

明治時代は、まだまだ人力に頼る大変な時代だ。右上の写真は、指導者の横でラッパを吹く隊員。お前あーしろこーしろ、を曲で表現したのか?恐らく馬で牽引したであろうポンプ車は蒸気機関で動くらしく、お湯を沸騰させて蒸気が出るまで数十分を要したからトホホだ。火を水で消すために、火を起こしてお湯を沸かすのも一見矛盾しているが、動力といえば蒸気機関ぐらいしか無かったのだから仕方がない。しかしながら、お茶を入れるならともかく、火事を消そうにもこれでは焼け落ちちゃうよ。



ようやく近代的な消防車が登場

大正時代になると、クラシックながら近代的消防車が登場。はしご車のはしごも、結構高くまで伸びていて、写真に入りきらないくらいだ(笑)。先ほど「当時、東京で一番立派な自動車かもしれない」と申し上げたが、やっぱり消防車は「目が飛び出る程高価」だったそうで、あまりに高価なことから、常にピカピカに磨き上げられていたと云う。さいたま市の資料によると、「整備が良すぎて、タイヤの凹部に土一つ付いていなかった」と記録されているそうだ。時代は下って昭和三十年代後半の消防風景を見る。四角い車両は化学消防車かな?はしご車の横に立っている男性は、メガホンで何か叫んでいる。ラッパは姿を消しメガホンに。其の方がストレートに伝わるってことが判明したのかな。

後はクラシックカー三昧

ヘリコプターの展示や、子供向けと思われるゲームのたぐいのとなりに、まるで忘れられたように消防車の模型が展示してあった。メルセデス・ベンツはしご車に装着されたはしごは木製で、燃えちゃわないか心配になってくる。此のヘンの「大人の展示」をもっと全面に押し出すような内容だったら、この博物館も素晴らしいものになると思う。


防災フェア会場へ足を運ぶ

ちょうど「消防防災フェア四谷」が行われているので、会場へお邪魔する。本当は、東京消防庁音楽隊の演奏を聴きたかった。音楽隊は、博物館でも紹介されていた。旧日本海軍軍楽隊のOBらで結成されたのが始まりで、もちろん日本初の消防音楽隊である。無料で聴ける音楽は、どんどん聴いておきたい!ただセコいだけだが。


会場である四谷広場は、たぶん昔小学校だったのだろう。演奏会会場の講堂は、どう見ても学校の体育館だった。さて、アメリカンマーチから始まった演奏会、時代を反映してか「アナ雪」のテーマもあり、まぁ気軽に楽しめる内容。ただ、演奏中も人の出入りが多く落ち着いて聴けなかったのが残念。


演奏会が終わり、外へ出ると何やらイベントで会場はごった返している。「つば九郎」がいるのは神宮球場が近いから?其の横には広報車とみられるクルマが。ローバーミニってところが面白い。最後に「トン汁」をいただいて、会場を後にした。タダ飯まで食えてセコい時間潰しだったが、あそこでトン汁が出て来たのは決して無意味ではない。あれは大規模災害時の炊き出しのデモンストレーションなのだ。

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