鹿児島市の商業施設

鹿児島市の繁華街「天文館」のランドマークと云えば山形屋

　鹿児島市へ赴任して最初に覚えたのが百貨店の山形屋。普通に「ヤマガタヤ」と読んでいたが、本当は「ヤマカタヤ」と読む。九州は「てんてんを付けない」読み方が多いのだ。此の山形屋と云う謎の百貨店、鹿児島では超有名で、大正時代から続く老舗なのである。贈り物を包む包装紙の威力は絶対的！

　どうです！此の重厚な建物～大正時代の雰囲気をちゃーんと残して呉れてます。しかも、鹿児島市電の特別仕様車「キリコ」とのツーショットが撮れた。もう少しタイミング良かったら、市バスも上手く写ったんだが・・・。

感激！今なお残る最上階の「大食堂」

　大阪梅田の阪急百貨店本店も、古くから「大食堂」を兼ね備えてあったが、此の山形屋と云う百貨店も、最上階に大食堂を維持しているとは感激だ。往時の写真も掲示していて、伝統を守り抜く強い意志を感じる。待合スペースもレトロな雰囲気を再現しているところが素晴らしい！

これぞ昭和のレストラン！これぞ昭和喫茶！

　どうです！例えば左側は山形屋大食堂で食べた洋食なんだけど、お皿が何だか昭和の雰囲気。わざと狙っているのか、センスが無いだけなのか、二つに一つ。山形屋の館内には、もちろんのこと喫茶店も何店か入っていて、雰囲気もまた昭和喫茶なんですよ(写真右側)。喫茶店の客層は、限りなく拙者の親世代の人ばかりだった！

大昔の天文館はこんな感じ

　天文館とは、鹿児島市の繁華街の代名詞。県外の人は「プラネタリウムでもあるんかい？」などと連想するかも知れない。実は半分正解みたいな話で、藩政時代の島津重豪が天体観測所を作ったことに由来する。大真面目な学びの地だったはずが、あれよあれよと云う間に歓楽街・赤線地帯の代名詞みたいになってしまった。ちなみに、正式な地名としての「天文館」が確固としてある訳ではないので、みんな適当に使っている。地域のどの辺までを天文館と云うかも、超適当でバラバラなのである。

すずらん灯がまばゆい天文館

　黎明館と云う、鹿児島県の自慢をするための博物館があって、なかなか見応えがある。一番面白かったのが、戦前と思われる天文館付近の再現コーナー。「ンゲートムノ」「ルービヒサア」の看板や、スズラン灯が仄かに輝くレトロ空間がエモい。左側通行なんか誰も守っていないところも素晴らしい。

　肉屋のおっさんなんだけど、どっかで見た顔やなぁと考え込んでいて、ふと思い出した。大阪道頓堀の食い倒れ人形に似ている！と思ったのは拙者だけだろうか。

鹿児島中央駅の「アミュプラザ」

　絶対的優位だった天文館を脅かしているのが鹿児島中央駅。昔は西鹿児島駅と名乗っていた。鉄道ターミナルとしては、鹿児島駅より遥かに発展していて、新幹線の開通で事実上の中心駅になってしまった。駅前再開発でオープンしたのが「アミュプラザ」である。此の店に入ると、何だか東京とちっとも変わらない小洒落た店内となっていて、逆に鹿児島にいることを忘れる。

　冬になると、御覧のとおりイルミネーションがキラキラ輝く。鹿児島のアミュプラザは、博多に比べると小さいけど、イルミネーションは一丁前に立派なものである。模様は薩摩切子をイメージしているようだ。

功罪半ばの「イオンモール鹿児島」

　さらに鹿児島市内の商業を脅かしているのがイオンモール鹿児島。とにかくデカい。デカ過ぎて、はっきり云って山形屋とアミュプラザを足しても敵わないデカさ。個人的には「其れでいいのかねぇ」と思ってしまう。市中心部から離れた港湾地区にドカーンと建っとる訳ですよ。もちろんクルマで行く前提。周囲の情景と切り離された雰囲気で、敷地の枠内だけ別世界＝全国何処にでもある風景、なのである。いえいえ、ちゃんと地元密着でやってますよとアピールしている証拠に、かわいい市電のモニュメントなんか作っちゃってた。唯一の被写体らしい被写体でした。

令和四年四月に堂々オープンした「センテラス天文館」

　拙者が鹿児島に赴任した当初から、ずーっと工事をしていた。何が出来るんだろう、拙者が居るうちに完成するのか？と思いながら月日が経って、忘れた頃にオープンしていた。早速、市電とのツーショットを撮影～商業施設に図書館も併設された立派な複合施設であります。鹿児島中央駅やイオンモールに対抗出来る存在になるのか注目したいところ。

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