宝塚ホテル
夢の続きは(其の壱)
宝塚大劇場の横に移転開業!
平成三十年九月、
宝塚大劇場にて
「エリザベート〜愛と死のロンド」を嫁さんと観劇する機会に恵まれた。当時、大劇場の横では宝塚ホテルの建築工事の真っ最中であった。旧宝塚ホテルは、阪急宝塚南口駅前に建っていたが、其れを大劇場前に移転させることになったのだ。一体、どのようなホテルになるのか〜株主向けの情報誌を見て納得した。1926年開業当時の雰囲気を受け継いだ見事なもので、是は宿泊せずに死ねないでしょうと思ったものだ。あいにく、コロナ禍が始まったことと、拙者が仕事の都合で
鹿児島へ生活していたことが重なり、そもそも関西に行く機会にも恵まれなかったが、令和四年八月に念願の宿泊が叶った!
ロビーから弐階へ向かう階段は、まるで大劇場を彷彿とさせる。シャンデリアが随所に配置され、
阪神間モダニズムの伝統美を上品に演出している。ホテルの開業式典も、此の空間で華々しく執り行われたようだ。もちろん、ジェンヌ様が参加され、VGMは
「すみれの花咲くころ」であります。
弐階からの眺めも素晴らしい!「夢の続き」と云うより、現実世界をちょっと豊かにしてくれる
小林一三イズムの世界観。夢ではなくリアルで構わないのである。
壁画は旧宝塚ホテルから移設されたもの
客室内では、宝塚ホテルの歴史を紹介した動画を見ることができる。解説していただいた方は、もちろん現役のジェンヌ様。其の動画によると、ロビーに掲げられている壁画(正しくは緞帳!)
「騎士の門出」は、旧ホテルから移設したものらしい。旧ホテルの雰囲気を損なわないよう、細心の注意が払われている。ホテルであると同時に博物館的な一面もあるのだ。
「騎士の門出」は、昭和期に活躍した洋画家:
小磯良平氏によるもの。昭和五〇年代前半に、宝塚大劇場の緞帳(舞台と観客席を区切る上下に開閉する幕のこと)に使われていた。オールド・ファンなら、見覚えのある方も多いであろう。奥にあるのはラウンジ「ルネサンス」は開店準備中〜残念ながら、今回はホテルでゆっくりする余裕が無かったので、利用は出来なかった。
まだ営業時間では無いが、
ラウンジ「ルネサンス」にシャンデリアの灯りが点いた。九月からは、「アフタヌーンティーセット」がいただけるそうだ。「音符や楽器をモチーフにしたスイーツを散りばめた、心躍るアフタヌーンティー」とのこと。アフタヌーンティーセットと云えば、参年前に神戸電鉄粟生線のローカルな駅で降りた先で喫茶店があって、其処で食べたとき以来、ご無沙汰である。是は将来のお楽しみとしておこうか。
各組のトップスターが勢ぞろい
大宴会場の入口付近に、各組のトップスターが映し出されたコーナーがある。催し物が無くともシャンデリアは煌々と灯っており、このホテル全体で電球を何個使っているのか興味深い。ちなみに拙者のリビングは、たった参灯なり。そもそも、一箇所のホテルでどんだけ写真映してんのよと自分でも呆れるが、此処は其れだけ絵になるホテルなのである。嫁さんはホテルのポストカードセットを購入していた。思えば、拙者も買っておけば良かったと後悔している。
弐階に舞台小道具の展示がある
宝塚歌劇の舞台公演で使われる小道具が展示されているのも、此のホテルらしいところ。男役さんの衣装も、女性が着るとあって何だか異様に細い。恐らく大劇場の展示室と連動して展示されているかも。
とにかく小道具の作り込みが徹底しているのが宝塚歌劇の世界。コンビニのおにぎりだって一切手を抜いていない。包装フィルムの印刷に至るまで精巧作られているが、オペラグラスで覗いたって読めないでしょう!印刷されているのは、「カンパニー 努力(レッスン)情熱(パッション)そして仲間たち(カンパニー)」と、出し物のお題と内容が印刷されている。遊び心溢れる小道具である。
ホテルの外観も開業当時のデザインを踏襲
ホテルの外観も、旧宝塚ホテルの
切妻屋根を再現している。植物モチーフのレリーフが美しい。ドーマー窓が独特の景観を形作っている。まさに「
阪神間モダニズム」の世界だ。低層部にアーチ窓を採用するのは、宝塚ホテルに限った訳でなく、阪急百貨店梅田本店や三宮駅ビルなど、阪急が好んで使う様式である。
→次ページ:宝塚ホテル〜客室やビュッフェの様子
宝塚ホテル〜夢の続きは・・・1.→ 2.
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